無添加キャットフードの原材料表示の見方|5つのチェックポイント

無添加キャットフードの原材料表示の見方|5つのチェックポイント

コラム 選び方 公開 更新約8分で読めます

「無添加キャットフード」と書かれた商品を手に取ったとき、「これなら安心」と感じる方は多いのではないでしょうか。しかし、「無添加」という表記だけではフードの安全性は判断できません。大切なのは、パッケージ裏の原材料表示を正しく読み解くことです。

この記事では、ペットフード安全法やAAFCO(米国飼料検査官協会)の基準をもとに、無添加キャットフードの原材料表示を見るときに押さえておきたい5つのチェックポイントを解説します。

「無添加」の意味は統一されていない——まず知っておきたい前提

食器に顔を近づける猫
「無添加」に法律上の定義はありません。表示が何を意味するかを知ることが、選ぶ前提になります(Photo: Unsplash)

最初に押さえておきたいのは、「無添加」という言葉にはペットフード業界で統一された定義がないということです。

「何が」無添加なのかは商品ごとに違う

たとえば、あるフードは「着色料無添加」、別のフードは「保存料・香料無添加」、さらに別のフードは「化学合成添加物不使用」と表記しています。つまり、「何を入れていないか」の範囲がメーカーごとに異なるのです。

消費者庁が2022年に食品表示基準を改正し、人間の食品では「無添加」表記のガイドラインが厳格化されました。しかし、ペットフードは食品衛生法の対象外であり、「ペットフード安全法」(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)が適用されます。この法律では「無添加」表記そのものに関する規制はなく、環境省の基準規格でも禁止・制限されている添加物のリストはあっても、「無添加」の定義は設けられていません。

反直感的な事実:「完全無添加」でも原材料に問題があるケースがある

意外に思われるかもしれませんが、添加物をまったく使っていなくても、主原料が「肉類」「動物性油脂」など曖昧な表記のフードは存在します。添加物ゼロであること以上に、何を主原料にしているかのほうが猫の健康への影響は大きいというのが、獣医栄養学の基本的な考え方です。

だからこそ、「無添加」の文字だけで選ぶのではなく、原材料表示そのものを読む力が求められます。

原材料表示の基本ルール——ペットフード安全法が定める5項目

日本でペットフードを販売するには、ペットフード安全法に基づき、以下の5項目を日本語で表示する義務があります。

  1. 名称(犬用・猫用の別、フードの種類)
  2. 賞味期限
  3. 原材料名
  4. 原産国名(最終加工工程を行った国)
  5. 事業者名および住所

原材料は「使用量の多い順」に記載

ペットフード安全法が容器に求める表示事項は、農林水産省ペットフード公正取引協議会が公開しています。そこに原材料の記載順序の規定はありません。しかし、ペットフード公正取引協議会の公正競争規約では「使用量の多い順に記載する」と定められており、事実上のルールとなっています。

つまり、原材料欄の最初に書かれている食材が、そのフードの「主原料」です。ここに何が来ているかが、フードの品質を見極める第一歩になります。

添加物の表示義務——6種類は用途名の併記が必要

ペットフード公正取引協議会の規約では、以下の6種類の添加物を使用した場合、添加物名と用途名の両方を表示する義務があります。

  • 甘味料
  • 着色料
  • 保存料
  • 増粘安定剤
  • 酸化防止剤
  • 発色剤

逆に言えば、これら以外の添加物は用途名なしで記載される場合もあり、見落としやすいポイントです。

無添加キャットフードの原材料を見る5つのチェックポイント

氷の上に並ぶ魚
原材料欄は、フードの中身を知る最初の手がかりです(Photo: Unsplash)

ここからが実践編です。パッケージを手に取ったら、以下の5つを順にチェックしてみてください。

チェック1:主原料が「具体的な食材名」で書かれているか

良い表記例:

  • まぐろ、かつお、鶏ささみ、サーモン

注意したい表記例:

  • 肉類(チキン等)、魚介類、動物性油脂

AAFCOのラベル表示ガイドラインでも、原材料は具体的な名称で記載することが推奨されています。「肉類」のような分類名だけでは、実際にどの部位のどんな肉が使われているか分かりません。

チェック2:原材料の数が極端に多すぎないか

無添加を謳いながら、原材料欄に20種類以上の成分が並んでいる場合は、ビタミン・ミネラルの調整剤が多数含まれている可能性があります。これ自体は総合栄養食として栄養バランスを整えるために必要な場合もありますが、「シンプルな原材料」を期待して無添加フードを選んだのに中身は複雑だった、というミスマッチが起きることがあります。

原材料の数が少なくてもAAFCO基準を満たす総合栄養食は存在します。素材そのものの栄養価が高ければ、最小限の成分で栄養バランスを保つことが可能だからです。

チェック3:「総合栄養食」か「一般食」か確認する

無添加かどうかよりも、まず確認すべきなのがフードの目的表示です。日本のペットフード公正競争規約では、フードは以下のように分類されます。

  • 総合栄養食:そのフードと水だけで必要な栄養を摂取できる(AAFCO基準準拠)
  • 一般食(副食・おかず):嗜好性を重視、単独では栄養が偏る可能性あり
  • 間食(おやつ):補助的に与えるもの
  • 療法食:特定の疾患に対応、獣医師の指導のもと使用

主食として与えるなら、「総合栄養食」であることが大前提です。無添加の一般食を主食にしてしまうと、いくら原材料が良くても栄養バランスが崩れるリスクがあります。

なお、NICO-LSの魚ごはんは「一般食(おかず)」に分類されます。総合栄養食のドライフードと組み合わせて、水分補給と嗜好性アップのための補助食として活用するのがおすすめです。

チェック4:酸化防止剤の種類を確認する

「保存料無添加」と書かれていても、酸化防止剤は別カテゴリとして使用されている場合があります。酸化防止剤は脂質の酸化を防ぐために重要な役割を果たしますが、種類によって安全性の評価が異なります。

天然由来の酸化防止剤:

  • ミックストコフェロール(ビタミンE)
  • ローズマリー抽出物
  • クエン酸

合成酸化防止剤:

  • BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
  • BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
  • エトキシキン

FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の2025年ガイドラインでは、BHAの猫への使用についてEFSA(欧州食品安全機関)の安全性評価を参照しています。合成酸化防止剤は規制値以下であれば直ちに危険とは言えませんが、気になる方は天然由来のものを選ぶと安心です。

チェック5:「なぜ保存料なしで日持ちするのか」が説明されているか

保存料を使わないフードが安全に日持ちするには、必ず別の仕組みがあります。

  • レトルト殺菌(高温高圧で加熱し密封)
  • 真空パック(酸素を遮断して酸化を防止)
  • フリーズドライ(水分を除去して微生物の繁殖を抑制)
  • 冷凍保存

これらの方法が明示されていないのに「保存料無添加・常温で長期保存可能」と謳っている場合は、注意が必要です。製法と保存方法まで透明に説明しているメーカーは、信頼性が高いと判断できます。

無添加フードの保管で気をつけるべきこと

無添加フードは保存料が入っていないぶん、開封後の劣化が早い傾向があります。せっかく良い原材料のフードを選んでも、保管方法が悪ければ意味がありません。

ドライフードの保管ポイント

  • 開封後は密閉容器に移し替える
  • 直射日光・高温多湿を避ける
  • 開封後1ヶ月以内に使い切る(目安)
  • 冷蔵庫は結露のリスクがあるため推奨しないメーカーが多い

ウェットフードの保管ポイント

  • 開封後は別容器に移し、冷蔵保存
  • 冷蔵でも24時間以内に使い切るのが安全
  • 未開封なら常温保存可能な製品が多い(レトルト・真空パックの場合)

ウェットフードの保存方法について詳しくは、「ウェットフードの正しい保存方法」もあわせてご覧ください。

原材料にこだわるなら知っておきたい——AAFCO基準と日本の現状

キャットフードの品質を語るうえで避けて通れないのが、AAFCO(Association of American Feed Control Officials)の栄養基準です。

日本の「総合栄養食」はAAFCO基準に準拠

日本のペットフード公正取引協議会は、AAFCOの栄養基準を採用しています。「総合栄養食」と表示するためには、AAFCOが定めるたんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素基準を満たすか、AAFCO準拠の給与試験をクリアする必要があります。

一方、欧州ではFEDIAF(European Pet Food Industry Federation)が独自の栄養ガイドラインを策定しており、2025年版では栄養素テーブルの精緻化や無機リンに関する改訂が行われています。AAFCOとFEDIAFの基準値は項目によって異なるため、「どちらの基準に準拠しているか」もフード選びの参考になります。

「無添加」と「安全」は別の軸

原材料の見分け方の総括として強調したいのは、「無添加であること」と「安全であること」は別の評価軸だということです。添加物を減らすことは良い方向性ですが、それだけでフードの品質は決まりません。原材料の透明性、栄養設計、製法、保存方法——これらを総合的に見ることが、愛猫に合ったフード選びにつながります。

「無添加キャットフードの選び方」についてより広い視点で知りたい方は、「無添加キャットフードの落とし穴|安心して選ぶための総合ガイド」もぜひお読みください。

まとめ——5つのチェックポイントを振り返る

無添加キャットフードの原材料表示を見るときは、以下の5つを確認しましょう。

  1. 主原料が具体的な食材名で書かれているか(まぐろ、鶏ささみ等)
  2. 原材料の数が極端に多すぎないか(シンプルさと栄養バランスの両立)
  3. 「総合栄養食」か「一般食」か(主食にするなら総合栄養食が前提)
  4. 酸化防止剤の種類(天然由来か合成か)
  5. 保存料なしで日持ちする理由が説明されているか(製法の透明性)

NICO-LSの魚ごはんは、三重県熊野灘で水揚げされた天然魚を唯一の原材料とし、水を一滴も加えない無加水製法で調理しています。保存料・着色料・香料・増粘剤は一切使用せず、12時間以内の真空パック加工で常温保存を実現。原材料は魚のみというシンプルさが、透明性の高いフード選びを求める飼い主さんに選ばれている理由です。

まずは少量から試して、愛猫の反応を見てみませんか。

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